一般社団法人 呼吸研究 RESPIRATION.JP|雑誌「呼吸」by Respiration Research Foundation 


最新号 3巻2号



~~今月の論文(『呼吸』バックナンバーより)~~

呼吸25(12): 1120―1125,2006
解説 臨 床 
  非結核性抗酸菌症の診断と治療
要旨  近年、呼吸器疾患の臨床現場において非結核性抗酸菌症(特にMycobacterium avium complex、以下肺MAC症)の重要性が高まりつつある。肺MAC症の病型として、 ①fibrocavitary disease、②fibronodular disease、および ③hypersensitivity diseaseの 3つの型がある。臨床的には③は稀であり、①および②が重要な病型である。画像所見として、①の病型においては空洞形成が、②の病型においては小結節と気管支拡張が特徴的である。本稿では非結核性抗酸菌症(特にMAC症)の肺病変の発病のメカニズム、および臨床像について①と②に分類して記載し、かつ治療方針について述べた。また、非結核性抗酸菌症として2番目に多いMycobacterium kansasiiについても、その診断と治療方針に関し記載した。
 

キーワード: 非結核性抗酸菌症  Mycobacterium avium complex  Mycobacterium kansasii  治療
          図1  fibrocavitary型の肺MAC症の画像所見
 64歳、男性例であり、基礎疾患に珪肺を有する。単純写真(a)において、両側性上肺野を主体とした病変であることが示されている。
 胸部CT所見(b)では、両側性に空洞形成を認める。この症例においては、Mycobacterium intracellulareが検出されているものの、
臨床的に珪肺症に合併した肺結核と鑑別することは困難である。
               (岡山労災病院 岸本卓巳先生提供、Fujita J, et al 2) . Respir Med 98:2004より引用)


 ~~fibrocavitary型の肺MAC症においては、画像所見上、肺結核との鑑別は困難である。従来、肺MAC症は、この病型が主体であったが、最近では減少しつつある。
  当然のことながらこの病型は男性に多い。また肺結核と同様、病変の分布は上肺野優位であり、かつ空洞形成の頻度の高いことが示されている2)(図1)。これらの臨床像から判断して、発症機序としては、塵肺に結核を合併しやすいことと同様に、局所の細胞性免疫の低下が関与しているものと考えられる。
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6月号では、コロナウイルスの感染症 中東呼吸器症候群(MERS)について、「総説:いま、警戒すべき輸入ウイルス感染症」で解説されています。執筆は長崎大学熱帯医学研究所新興感染症学分野の 安田二朗先生です。
2015.06.03 『呼吸』Vol.34 No.6 が15日に発刊されます。長崎大学野の 安田二朗先生により中東呼吸器症候群(MERS)について、「総説:いま、警戒すべき輸入ウイルス感染症」で解説されています。
2015.05.15 『呼吸』Vol.34 No.5 発刊
2015.04.15 『呼吸』Vol.34 No.4 発刊

一般社団法人 呼吸研究解散のご案内
拝啓
 平素は一般社団法人 呼吸研究の活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、一般社団法人 呼吸研究は本年3月に法人組織を解散し活動を停止することになりました。
 滝島任先生が初代編集委員長として、1982年9月に創刊された雑誌『呼吸』は、読者の皆様やご寄稿いただいた先生方など大変多くの方々からのお力添えを賜り、呼吸器学の月刊専門誌として、基礎から臨床にいたるまでの最新知見を読みやすい誌面でお伝えしていくことを目標に、刊行を続けてまいりました。その『呼吸』が諸般の事情により、2014年末に34巻12号で冊子体としての発行を休止いたしました。
 その後、『呼吸』編集委員会は、呼吸器関係の学術誌が限られた発行状況にあることを考慮して、『呼吸』バックナンバーのWeb上での閲覧を持続するとともに、電子図書『呼吸』eレポートの発行を行ってまいりました。
 しかし諸般の状況検討により、今後の活動継続は困難と判断し、法人解散の手続きを関係者の体力的に余力があるうちに実施することを編集委員会の総意として決定しました。
 法人解散後は、一般社団法人 呼吸研究が有していました『呼吸』等発行図書の著作権を公益財団法人 日本呼吸器財団に承継していただき、WEB上での “『呼吸』バックナンバー検索・閲覧システム”の維持運営と発行済『呼吸』eレポートの閲覧公開を継続することにしています。

 長きにわたり『呼吸』と一般社団法人 呼吸研究の活動にご支援賜りました皆様方には厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
 末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具

2020年2月 
一般社団法人 呼吸研究
事務局 
ご案内
 旧一般社団法人呼吸研究に帰属していました『呼吸』等に関わる著作権は、2020年3月に一般社団法人呼吸研究が解散し、公益財団法人日本呼吸器財団に承継されていましたが、2024年4月から一般社団法人日本呼吸器学会に承継されることになりました。
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2024年4月 インタージョイン株式会社