一般社団法人 呼吸研究 RESPIRATION.JP|雑誌「呼吸」by Respiration Research Foundation 


最新号 3巻2号



~~今月の論文(『呼吸』バックナンバーより)~~

呼吸33(3):234―240,2014
解説 基 礎
   比較生理学からみた呼吸の神秘
   〜低酸素環境をいかに生き抜くか
要旨  低酸素環境をいかに生き抜くかという視点から,ヒマラヤ登山隊のもつ優れた換気能力,上空10,000 mを飛行できるヒトよりも優れたガス交換機能を有する鳥の肺,そして地球が遥か昔に低酸素環境であった時代も生き残ることができた恐竜の呼吸,哺乳類であるにもかかわらず長時間の潜水が可能なアザラシなどについて,重要と思われる文献を引用しながら呼吸生理学的な解説を行う。
 
 
キーワード: 比較生理学  低酸素  ガス交換  鳥  恐竜
図10 脊椎骨の解析から気嚢と肺の構造を再現した恐竜の呼吸システム
                  (OʼConnor PM, et al11). Nature 436:2005 より引用,改変)



~~何種類かの鳥は,ジェット旅客機と同じ高度10,000mの上空を飛ぶことができる。~~
~~ヒトは横隔膜で換気し,酸素は3〜5億個といわれる肺胞に達しガス交換が行われる。ところが鳥には横隔膜がなく,さらに驚くべきは,ヒトの肺胞に相当する構造もない~~
~~鳥は大胸筋など筋肉が非常に発達しており,これら体全体の筋肉を動かすことで気嚢をふいご(bellows)のように収縮・拡張させながら,肺に向かって常に一方行の空気の流れを形成している(図5)~~~つまり,吸気でも呼気でも,肺には常に一方行に新鮮な空気の流れが保たれる~~
~~この鳥のガス交換メカニズムを現代の医学に応用したものが人工肺ECMOである。~~
~~現存する鳥の呼吸のシステムを恐竜が有していたことが,マジュンガトルス(Majungatholus atopus)という恐竜の脊椎骨の解析から判明した。~~
~~マジュンガトルスの気嚢と肺の位置関係を再現したところ,図10に示すように,恐竜にも体の前方と後方に気嚢があり,恐らく肺も現代の鳥と同じような位置に存在していたことが推定された。~~
~~恐竜になぜこれだけ素晴らしいガス交換機能が必要であったか~~~いまから2億5000万年くらい前の一時期,大気中の酸素濃度が15%程度しかない低酸素環境があったことが分っている(図11)。~~


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2025.7.25 “ほっと『ひと呼吸』”に「源氏物語とゆかりの植物④ 桔梗(キキョウ) 」を掲載しました。
2025.7.3 “ほっと『ひと呼吸』”に 能登北部呼吸器疾患センター センター長のささやき 第9話~第11話を掲載しました。
2025.6.10 “ほっと『ひと呼吸』”に 能登北部呼吸器疾患センター センター長のささやき 第5話~第8話を掲載しました。
2025.5.19 “ほっと『ひと呼吸』”に「源氏物語とゆかりの植物➂ 橘(タチバナ) 」を掲載しました。
2025.5.14 “ほっと『ひと呼吸』”に 能登北部呼吸器疾患センター センター長のささやき 第1話~第4話を掲載しました。
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2024.12.20 “ほっと『ひと呼吸』”に「能登は陸の孤島 ―昔も今もー」を掲載しました。
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2024.2.15 “ほっと『ひと呼吸』”に私の科学史Wanderings(その1)-序章-及び(その2)-お玉が池種痘所跡(東京大学・医学部発祥の地)-を掲載しました。
2024.1.11 “ほっと『ひと呼吸』”の「スケッチによる旅の思い出」に“木曾路 妻籠宿”を追加掲載しました。
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2022.11.7 “ほっと『ひと呼吸』”に「松谷名誉園長が案内する京都府立植物園」の新シリーズ“秋”の1回目「コダチダリア」を掲載しました。
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2022.5.27 “ほっと『ひと呼吸』”に「松谷名誉園長が案内する京都府立植物園」の新シリーズ“梅雨時の花木”を掲載しました。
2022.5.19 “ほっと『ひと呼吸』”に「スケッチによる旅の思い出」を掲載公開しました。
2022.5.9 “ほっと『ひと呼吸』”の「くつろぎの時間の風景」に“「善福寺池」の上を泳ぐ鯉のぼり”を追加掲載しました。
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2019.11.20 『呼吸』eレポート3巻2号を本日公開しました。
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2018.5.23 『呼吸』eレポート2巻1号を本日公開しました。
2018.5.19 『呼吸』eレポート2巻1号を5/23水曜日に公開する予定です。
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2017.11.29 『呼吸』eレポート1巻2号を本日公開しました。
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2017.05.24 『呼吸』eレポート創刊号を公開しました。
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2015.12.16 『呼吸』Vol.34 No.12 が発刊されました。 12月号には、第43回箱根呼吸討論会記録がsupplementとして付いています。なお、『呼吸』はこれで休刊になります。
2015.11.17 12月15日発刊予定の『呼吸』Vol.34 No.12 で休刊になります。12月号には、第43回箱根呼吸討論会記録がsupplementとして付いています。
2015.11.16 『呼吸』Vol.34 No.11 が発刊されました。
2015.10.15 『呼吸』Vol.34 No.10 が発刊されました。
2015.10.02 『呼吸』はVol.34 No.12 で休刊となります。
2015.09.15 『呼吸』Vol.34 No.9 が発刊されました。
2015.08.17 『呼吸』Vol.34 No.8 が発刊されました。
2015.07.15 『呼吸』Vol.34 No.7 が発刊されました。
2015.06.15 『呼吸』Vol.34 No.6 が発刊されました。
6月号では、コロナウイルスの感染症 中東呼吸器症候群(MERS)について、「総説:いま、警戒すべき輸入ウイルス感染症」で解説されています。執筆は長崎大学熱帯医学研究所新興感染症学分野の 安田二朗先生です。
2015.06.03 『呼吸』Vol.34 No.6 が15日に発刊されます。長崎大学野の 安田二朗先生により中東呼吸器症候群(MERS)について、「総説:いま、警戒すべき輸入ウイルス感染症」で解説されています。
2015.05.15 『呼吸』Vol.34 No.5 発刊
2015.04.15 『呼吸』Vol.34 No.4 発刊

一般社団法人 呼吸研究解散のご案内
拝啓
 平素は一般社団法人 呼吸研究の活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、一般社団法人 呼吸研究は本年3月に法人組織を解散し活動を停止することになりました。
 滝島任先生が初代編集委員長として、1982年9月に創刊された雑誌『呼吸』は、読者の皆様やご寄稿いただいた先生方など大変多くの方々からのお力添えを賜り、呼吸器学の月刊専門誌として、基礎から臨床にいたるまでの最新知見を読みやすい誌面でお伝えしていくことを目標に、刊行を続けてまいりました。その『呼吸』が諸般の事情により、2014年末に34巻12号で冊子体としての発行を休止いたしました。
 その後、『呼吸』編集委員会は、呼吸器関係の学術誌が限られた発行状況にあることを考慮して、『呼吸』バックナンバーのWeb上での閲覧を持続するとともに、電子図書『呼吸』eレポートの発行を行ってまいりました。
 しかし諸般の状況検討により、今後の活動継続は困難と判断し、法人解散の手続きを関係者の体力的に余力があるうちに実施することを編集委員会の総意として決定しました。
 法人解散後は、一般社団法人 呼吸研究が有していました『呼吸』等発行図書の著作権を公益財団法人 日本呼吸器財団に承継していただき、WEB上での “『呼吸』バックナンバー検索・閲覧システム”の維持運営と発行済『呼吸』eレポートの閲覧公開を継続することにしています。

 長きにわたり『呼吸』と一般社団法人 呼吸研究の活動にご支援賜りました皆様方には厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
 末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具

2020年2月 
一般社団法人 呼吸研究
事務局 
ご案内
 旧一般社団法人呼吸研究に帰属していました『呼吸』等に関わる著作権は、2020年3月に一般社団法人呼吸研究が解散し、公益財団法人日本呼吸器財団に承継されていましたが、2024年4月から一般社団法人日本呼吸器学会に承継されることになりました。
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2024年4月 インタージョイン株式会社